【院長ブログ第5回:頭痛外来】|中野島ほしの内科クリニック|川崎市多摩区の内科・脳神経内科

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【院長ブログ第5回:頭痛外来】

【院長ブログ第5回:頭痛外来】|中野島ほしの内科クリニック|川崎市多摩区の内科・脳神経内科

2026年1月17日

【院長ブログ第5回:頭痛外来】

こんにちは、中野島ほしの内科クリニック院長の星野です。

院長ブログ第5回では、どなたにでも起こりうる身近な症状である「頭痛」について取り上げます。

現在の日本において頭痛という症状に遭遇する方は非常に多いですが、一口に頭痛と言ってもその原因は様々です。「いつもの頭痛だから」と言って軽くみてしまっている方がいる一方で、反対に「自分は重い脳の病気に罹っているかもしれない」と強い不安に襲われてしまう方もいらっしゃるかと思います。

皆さまが頭痛を軽く見すぎないようにかつ必要以上に重く捉えすぎないように、頭痛の種類や原因、治療法、セルフケアなどを解説させていただきます。
当院の頭痛外来での取り組みについても併せてご紹介させていただきますので、ぜひご一読ください。

頭痛の種類

頭痛は、くも膜下出血・髄膜炎・副鼻腔炎などなにかしらの病気の症状として出現する二次性頭痛と、他に病気が隠れているのではないものの頭痛が出現してしまう一次性頭痛とに大別されます。
 
●一次性頭痛
基本的には命に関わらないものの、痛みの程度が強い場合や出現頻度が多い場合には、日常生活に支障をきたします。一次性頭痛にも種類はたくさんありますが、多くの方は以下の3つのどれかに該当します。
 
片頭痛
原因として脳の血管や神経のトラブルが推察されていますが、未だ解明はされていません。
男性に比べて女性に発症しやすく、月経周期と関連するタイプもあります。
名前に“片”と付きますが、必ずしも片側だけに痛みが限局する訳ではなく、頭の両側に出現することもあります。典型的には以下のような特徴が挙げられます。
・ズキズキと脈打つような痛み。
・吐き気や嘔吐を伴うことがある。
・歩行など日常的な動作で痛みが増悪し、寝込むほど重度の痛みをきたすことがある。
・頭痛出現前にギザギザとした光が見えたり、視野が欠ける前兆を伴うことがある。
・光や音、においに敏感になることがある。
 
緊張型頭痛
気持ちの緊張ではなく、筋肉の緊張により起こる頭痛です。
疲れや寝不足、ストレスなどが発症に影響し、典型的には以下のような特徴が挙げられます。
・後頭部や頭部全体に、重く締め付けられるような痛み。
・目の疲れ、首や肩の凝りを伴うことが多い。
・前兆や吐き気を伴うことは少なく、日常的な動作での増悪もない。
 
群発頭痛
片側の激しい頭痛が連日のように出現する群発期と、頭痛がまったく出現しない寛解期があります。症状はいつも同じ側に出現し、反対側に出現することは基本的にありません。典型的には以下のような特徴が挙げられます。
・早朝に発症することが多い。
・片側の目の奥をえぐられるような激しい痛み。
・目の充血、涙、鼻水といった症状を伴う。
 
●二次性頭痛
他に原因となる病気があり、一つの症状として頭痛が出現します。
クモ膜下出血・脳腫瘍・髄膜炎・副鼻腔炎・緑内障など原因は様々で、中には命に関わる場合もあります。”突然の激しい頭痛”、”今まで経験したことがないような頭痛”、”高熱を伴う頭痛”などは危険性が高いため、早急な医療機関への受診が必要です。
 
ここからは主に、原因となる病気のない一次性頭痛を中心に解説していきます。

頭痛が起こる原因とは?

様々な要因が複雑に関係して、頭痛は出現します。 例えば以下のような要因が挙げられます。

・ストレスや精神的緊張
・寝不足もしくは寝過ぎ
・ホルモンバランスの変化
・気圧や天候の変化
・長時間の読書やスマートフォン・パソコンなどの使用
・脱水
・食べ物やアルコールの影響

頭痛の原因や悪化因子は患者さんごとに異なるため、頭痛の診療においては頭痛の部位や性状だけでなく、頭痛が起きやすい状況や普段の生活習慣なども問診で丁寧に確認することが非常に重要です。

当院における頭痛外来での診察の流れ

①問診
頭痛が起こり始めた時期、好発条件、頻度、頭痛の部位や性状、前兆の有無、吐き気や光・音への過敏性といった随伴症状の有無、これまで使用した薬やその効果などを詳しくお伺いします。普段の生活習慣や睡眠状況なども重要な判断材料となります。
頭痛の性状などを伝えるのはなかなか難しいかもしれませんが、ご自身の表現で結構ですのでなるべく細かいところまで教えていただけますと幸いです。
 
②診察・検査
・神経学的診察:意識状態、眼の動き、手足の筋力や感覚などを評価します。
・血液検査:感染症や高度の貧血などが疑われる際に、適宜実施します。
・頭部CT検査/頭部MRI検査:頭の中の病気が疑われる際に、適宜実施します。
 
診断・治療
二次性頭痛を否定できたら、一次性頭痛のどの種類なのかを明確にし、患者さん一人ひとりに対して適切と考えられる治療法をご提案します。
治療開始後は定期的に受診していただき、頭痛の頻度や程度の変化を確認しながら治療の継続や変更を検討いたします。

頭痛の治療薬

●急性期治療薬
頭痛が出現した際に使用する治療薬です。
頭痛を感じ始めたらなるべく早く使用すると、より効果的です。
一方で、薬の使い過ぎにより逆に頭痛を起こしやすくなるといった作用もあるため注意が必要です。

・解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、NSAIDsなど)
軽度から中等度の頭痛、特に緊張型頭痛には主に解熱鎮痛薬が効果的です。
カロナール®(アセトアミノフェン)ロキソニン®(ロキソプロフェン)などが代表的です。

・トリプタン製剤
片頭痛に特異的に作用する治療薬です。
中等度から重度の片頭痛に対して効果的です。
日本国内では、イミグラン®(スマトリプタン)ゾーミッグ®(ゾルミトリプタン)レルパックス®(エレトリプタン)マクサルト®(リザトリプタン)アマージ®(ナラトリプタン)が使用できます。それぞれ効果が発現するまでの時間や効果持続時間が異なり、また錠剤の大きさや味も異なります。

・セロトニン1F受容体作動薬
セロトニン1F受容体に選択的に結合することにより、痛みの情報の伝達抑制や、痛みの伝達に関与する神経伝達物質の放出を抑えることで片頭痛の痛みを鎮めます。レイボー®(ラスミジタン)という薬です。

●予防薬
頭痛を起こりにくくさせ、出現頻度を減らすための治療薬です。
即効性がある訳ではなく効果を実感できるまでに数週間程度かかることもありますが、使用を継続することで徐々に頭痛の出現頻度を減らしていく効果があります。
従来は内服薬が主でしたが、近年注射薬も開発され、治療の選択肢が増えています。
国内で使用可能な主な予防薬をご紹介いたします。

=内服薬=
基本的に毎日の内服を継続します。頭痛の性状や他の病気・併用薬との兼ね合いを考慮しながら、どの治療薬を使用するか検討します。
・ミグシス®(ロメリジン)
・インデラル®(プロプラノロール)
・デパケン®(バルプロ酸)
・トリプタノール®(アミトリプチリン)
・呉茱萸湯

=注射薬=
片頭痛を起こす物質とされるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の受容体に結合してCGRPの働きを抑えることで、片頭痛発作の発症を抑制する効果があります。
注射薬は上記の内服薬と異なり毎日の使用ではなく、薬によりますがおよそ4週間に1回の接種を継続していきます。
・エムガルディ®(ガルカネズマブ)
・アジョビ®(フレマネズマブ)
・アイモビーグ®(エレヌマブ)

さらに2025年には、CGRPを標的として片頭痛の急性期治療と予防薬の両方を適応とするナルティーク®(リメゲパント)が発売されました。急性期治療薬としても予防薬としても使用できるため、これまで複数の治療薬を使用してきた患者さんにおいて薬を減らすことができる可能性があります。

※薬の使い過ぎによる頭痛に関する注意
解熱鎮痛薬やトリプタン製剤を過剰に使い過ぎると、頭痛の頻度が増えてしまうことがあります。これは「薬剤の使用過多による頭痛」と呼ばれます。目安として解熱鎮痛薬やトリプタン製剤を月に10~15回以上使用してしまう場合には注意が必要です。
頭痛が頻回に起こってしまう場合は急性期治療薬に頼り続けるのではなく、予防薬の導入や調整を検討することが重要です。

自分でできる頭痛対策・セルフケア

ここでは治療薬以外の、ご家庭でできるセルフケアについてご紹介いたします。

・規則正しい生活リズムを整える
睡眠の乱れは、頭痛発症の代表的な要因です。
睡眠不足だけでなく、休日などに寝過ぎてしまうことで頭痛を引き起こすこともあります。
毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床することを心掛け、睡眠時間は6~8時間を目安にしましょう。寝る直前までの飲酒やパソコン・スマートフォンの使用を控えることで、睡眠の質も高めましょう。

・水分補給と食生活の見直し
脱水は頭痛の誘因となるため、こまめな水分補給は大切です。特に起床時や入浴後、運動後は意識して水分補給するようにしましょう。また、急激な血糖値の変動も頭痛発症につながるため、1日3食バランスの良い食事を摂取するよう心掛けましょう。ご自身にとって頭痛を起こしやすい食品などを把握し、その食品の摂取を避けることも重要です。

・ストレス管理とリラックス習慣
精神的ストレスも頭痛発症の要因となります。
ストレス発散・リラックス方法は人によってそれぞれ異なりますが、ストレッチ・スポーツ・入浴・音楽を聴くなどご自身に合ったストレス発散・リラックス方法を日常に取り入れましょう。

・目・首・肩の負担を減らす工夫
こまめに休憩を挟みながら長時間の読書やパソコン・スマートフォンの使用を避ける、長時間同じ姿勢を保持せず適宜体操やストレッチを行う、作業を行う際の姿勢に注意するなど、目・首・肩の負担を少しでも減らせるよう意識してみてください。

・天候や気圧の変化への対策
天候悪化前や気圧の変化時には頭痛が起きやすくなります。
天候アプリなどで気圧の変化を把握し、頭痛を起こしやすそうな日には無理はせず過ごすようにしましょう。早めに休息を取ることも大切です。

・頭痛ダイアリーの活用
頭痛ダイアリーは、セルフケアと治療の効果を高める重要なツールです。
頭痛が起きた日時、痛みの程度や持続時間、誘因、使用した薬、生活状況などを記録することで、ご自身の頭痛のパターンを可視化できます。これによりご自身なりの対策が取りやすくなり、また治療方針も立てやすくなります。

頭痛でお困りであれば頭痛外来へ

頭痛は、「もともとの体質だから仕方ない」・「医療機関で相談するほどのことでもない」と我慢する必要はまったくありません。正しい診断と適切な治療により、頭痛の頻度や程度は大きく改善します。

当院の頭痛外来では、患者さん一人ひとりの症状や生活背景に寄り添い、最良の結果を得られるよう治療方針を提案させていただきます。しっかりとお話を伺えるように頭痛外来は日時を指定した時間予約制を取らせていただいておりますので、ご都合の良い日時でご予約ください。なお当院は院内にCT検査機器やMRI検査機器は備えておりませんが、なるべく速やかに検査を行えるよう近隣の検査施設や医療機関と連携させていただいております。

まずはご相談のみでも結構ですので、お気軽にご受診ください。


 

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