【院長ブログ第4回:花粉症対策】|中野島ほしの内科クリニック|川崎市多摩区の内科・脳神経内科

〒214-0012神奈川県川崎市多摩区中野島 6-25-28 Park Aura 1階

044-819-7610

WEB予約 LINE予約

【院長ブログ第4回:花粉症対策】

【院長ブログ第4回:花粉症対策】|中野島ほしの内科クリニック|川崎市多摩区の内科・脳神経内科

2025年12月18日

【院長ブログ第4回:花粉症対策】

こんにちは、中野島ほしの内科クリニック院長の星野です。
院長ブログ第4回では、2月頃から始まる花粉症シーズンに先立ち、花粉症の症状や原因、治療法や対策についてご紹介いたします。

毎年、春先になると目のかゆみ・くしゃみ・鼻水といった症状に悩まされる方は多いかと思います。日本では、2008年の調査でおよそ4人に1人が、最近のデータではおよそ2人に1人が花粉症とされ、いまや国民病ともいえる存在です。
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が体内に入った際に、体内で過剰な免疫応答が起きて症状が現れる疾患です。医学用語では、季節性アレルギー性鼻炎と呼びます。
花粉が多く飛散する時期はある程度予測できるため、事前の対策が大きな効果を発揮するという特徴があります。

花粉症の代表的な症状

花粉症の症状は、目・鼻・皮膚など広範囲に様々な症状をきたします。出現する症状は人によってそれぞれ異なりますが、以下のような症状に悩まされる方が多いかと思います。

●鼻の症状
・連続する強いくしゃみ
・透明でサラサラとした鼻水
・鼻づまり(夜間の睡眠に支障をきたすこともあり)

●目の症状
・目のかゆみ
・目の充血
・涙が止まらない

●全身症状
・頭がぼーっとする
・集中力が低下する
・体がだるい

※花粉症とかぜの違い
花粉症とかぜとでは、主に鼻水の性状が異なります。花粉症の場合は透明でサラサラとした鼻水が特徴的で、連続したくしゃみを伴うことも多いです。一方、かぜの場合はねばり気のある黄色っぽい鼻水が特徴的です。また、花粉症では鼻水の他に目のかゆみや目の充血も伴うことが多いですが、かぜではこれらの症状は基本的に伴いません。

右に、花粉症とかぜの違いを表にまとめました。あくまで典型的な違いであり、当てはまらないこともありますので、判断に迷う場合は医療機関でご相談ください。

花粉症の原因とメカニズム

花粉症の発症には、「IgE抗体」という蛋白質が深く関わっています。
① 体内に花粉が侵入する
② 花粉を有害な異物とみなし、体がIgE抗体を作り、マスト細胞(肥満細胞)と結びつく
③ 再度花粉が侵入した際にIgE抗体が花粉にくっつき、マスト細胞が反応する
④ マスト細胞がヒスタミンを放出し、目のかゆみ・くしゃみ・鼻水といった症状をきたす
 
また、花粉症は以下の要因で罹患者が増えています。
・大気汚染や生活環境の変化
・ストレスや睡眠不足による免疫バランスの乱れ
・住宅の気密性が高まり、花粉が室内に残りやすい
・花粉の飛散量増加
 
従来は大人に多い印象であった花粉症ですが、近年は小中学生や、さらには幼児でも罹患者が増えています。

花粉症の診断方法

花粉症は主に問診と身体診察により診断しますが、より正確な診断のために以下のような検査が有効です。

●血液検査(IgE抗体検査)
血液中のIgE抗体の総量や、特定のアレルゲンを対象とした特異的IgE抗体を測定します。
特に特異的IgE抗体を測定することで、自分がどんな物質に対してアレルギーがあるのか調べることができます。

●鼻中好酸球検査
鼻水に含まれる好酸球の数を顕微鏡で調べる検査法です。好酸球の数が多い場合、花粉症が疑われます。

●皮膚反応検査:スクラッチテスト、プリックテスト、皮内テスト
花粉エキスを使用して皮膚表面の反応を観察する検査法です。アレルギー反応を直接目で観察しやすいメリットがあります。

●抗原誘発反応検査
原因と考えられる花粉エキスがしみ込んだ紙を鼻の粘膜に貼り付けて反応を観察する検査法です。

●鼻鏡検査
鼻の粘膜を直接観察して、炎症の程度や鼻水の溜まり具合などを関する検査法です。

当院では、39種類の項目(花粉、ダニ、食べ物など)をまとめて調べる血液検査(Viewアレルギー39)が可能です。費用は3割負担で5,000円ほどです。採血後、1週間程度で結果説明が可能です。
ご自身がどの花粉に対してアレルギーをお持ちか把握していれば、その花粉の飛散シーズンに前もって対策が取りやすいかと思います。検査は1年を通して可能ですので、お気軽にご相談ください。

花粉症の治療

花粉症の治療法は、内服薬・点鼻薬・点眼薬・手術・舌下免疫療法など数多くあります。
舌下免疫療法に関しては院長ブログ第2回で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
ここでは内服薬・点鼻薬・点眼薬についてご紹介いたします。

●内服薬

・抗ヒスタミン薬
花粉症治療の中心となる薬です。
ヒスタミンの働きを抑えることで、主にくしゃみや鼻水を和らげます。
現在では、眠気が出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬を処方されることが多いです。
右に主な第2世代抗ヒスタミン薬の種類と違いについてまとめました。

仕事や勉強などで眠気の出現をなるべく避けたい方には、表の上部の薬がお勧めです。
一方で、より強い効果をお求めの方には表の下部の薬がお勧めです。
また、1日1回の内服で済む薬も多く使い勝手は良いですが、内服のタイミングに注意が必要な薬もあります。

・ロイコトリエン拮抗薬
主に鼻づまりの解消に効果的です。抗ヒスタミン薬と併用して処方されることが多い薬です。
キプレス/シングレア(一般名:モンテルカスト)オノン(一般名:プランルカスト)などがあります。

●点鼻薬
主に鼻水鼻づまりに効果的です。
主にステロイド点鼻薬が処方されます。ステロイドの内服と異なり、点鼻薬は局所に作用するため全身性の副作用が出にくい特徴があります。
ナゾネックス(一般名:モメタゾン)アラミスト(一般名:フルチカゾン)などがあります。

●点眼薬
主に目のかゆみ目の充血に効果的です。
パタノール(一般名:オロパタジン)アレジオン(一般名:エピナスチン)などの抗ヒスタミン薬や、ステロイド点眼薬などがあります。なお、ステロイド点眼薬は眼圧の上昇をきたす危険性があるため、眼科で処方を受けることをお勧めします。

花粉症治療において、症状が出現する前から治療を開始する”初期療法”が勧められます。
初期療法のメリットとして、症状の重症度を軽減させて日常生活への影響を最小限に留められる他、花粉症シーズンに使用する薬の種類や量を抑えられることが挙げられます。
花粉が本格的に飛散し始める2週間ほど前から治療を開始することが理想的です。

日常生活でできる花粉症対策

花粉症においては薬による治療だけなく、日常生活における対策も非常に重要です。
以下のような対策を普段から心掛けていただくことで、花粉症の発症予防および症状の軽減につながります。

●外出時
・花粉の飛散状況を情報サイトなどでチェック
・防止・眼鏡・マスクなどの装着
・衣類はウール素材をなるべく避けて、花粉がくっつきにくいツルツルとした素材のものを選ぶ

●帰宅後
・室内に入る前に衣類についた花粉を払う
・外着から室内着に着替える
・手洗いやうがい、洗顔、場合によってはシャワーや入浴で体についた花粉を流す

●室内
・空気清浄機を出入り口付近に置く
・部屋の換気は花粉の飛散が少ない早朝に行う
・洗濯物は花粉が付着しないよう部屋干しや浴室乾燥がお勧め

花粉症シーズン後にお勧めの舌下免疫療法

春先のスギ花粉によるつらい症状が落ち着いた頃にお勧めしたいのが、『舌下免疫療法』です。これはスギ花粉のアレルゲンを少量ずつ舌の下から体に継続して取り入れることで、出現した症状を緩和させる従来の治療法とは異なり、そもそも症状を出現しにくくさせる治療法です。
スギ花粉に対する舌下免疫療法は、副作用など安全面を考慮してスギ花粉があまり飛散していない時期に開始します。そのため夏前~年末頃が最適な治療開始時期となります。
院長ブログ第2回に詳しくご紹介させていただいていますので、毎年春先につらい花粉症症状に悩まされている方はぜひご覧いただき、お気軽にご相談ください。

まとめ:花粉症は「早めの対策」と「適切な治療」で大きく改善できる

花粉症の症状は人によってそれぞれ異なりますが、つらい症状により生活の質を大きく低下させてしまいます。しかし、花粉症の原因や機序を理解し、日常生活において十分に対策し、適切な治療を行うことで花粉症シーズンにおいても毎日を快適に過ごすことができます。
特に治療法は日々発展しており、眠気の出にくい内服薬や、そもそも症状を出にくくさせる舌下免疫療法など治療選択肢が増えています。

当院では、患者さまそれぞれの症状やご希望をお伺いし、生活スタイルも考慮した上で治療法を提案させていただきます。花粉症でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

TOP