認知症外来について

• 人や物の名前を思い出せないことが多くなった
• 日付や曜日を把握できなくなった
• 自分がいる場所や通い慣れた道がわからなくなった
• 注意が散漫し落ち着いて物事に取り組めなくなった
• 料理や趣味などこれまで行えていた作業ができなくなった
• リモコンなど家電の操作ができなくなった
• 金銭や薬の管理ができなくなった
• 洋服を上手く着られなくなった
• 以前に比べて怒りっぽくなった
• やる気が起きない、物事への関心がなくなった
• 夕方になるとソワソワして落ち着かなくなる
• 睡眠のリズムが昼夜逆転している

※認知症診療では患者さまご本人からのお話だけでなく、ご家族からお話を伺うことが非常に重要です。可能な範囲で、ご家族も一緒にご受診いただくようお願いいたします。

認知症外来の流れ

まず問診表にご記載いただいた内容をもとに、詳細な問診から始めさせていただきます。発症時期や進行の具合、性格の変化や異常な行動の有無などを詳しくお聞きします。場合によっては患者さまご本人とご家族とでそれぞれ個別で問診させていただきます。
次に身体診察を行い、必要に応じ検査を行います。主な検査は血液検査、頭部MRI検査、脳血流SPECT検査などです。MRI検査やSPECT検査は院内に検査機器を備えておりませんが、近隣の検査施設や医療機関と連携し、適宜ご紹介させていただきます。
治療は原因により異なりますが、薬物療法や生活指導が中心となります。病状に応じて、適切な医療機関へ適宜ご紹介させていただきます。

認知症の主な種類

軽度認知障害（Mild Cognitive Impairment：MCI）

厳密には認知症には至っていないものの、健常者に比べて認知機能が低下した状態です。日常生活に支障をきたすことはほとんどありませんが、認知症に進展する可能性があります。生活習慣の改善が治療の中心です。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いタイプで、脳へのアミロイドβの沈着やタウタンパク質の蓄積が原因で発症します。前日に食べたものを思い出せないといった短期的な記憶の障害から始まり、進行するにつれて上手く着替えられないなどの症状が出現してきます。患者さまご本人は症状を自覚しにくく、周りの人から指摘されても取り繕う様子がみられます。薬物療法や生活指導による症状進行の抑制が治療の中心です。

脳血管性認知症

脳梗塞などの脳血管障害が原因で発症します。高血圧症、糖尿病、脂質異常症など有している方に多いタイプです。障害部位によって症状が異なりますが、認知機能の障害以外に手足の運動や感覚の障害、歩行障害などを伴うことがあります。血圧・血糖・脂質などの管理が重要です。

レビー小体型認知症

脳にレビー小体が蓄積することで発症します。初期では記憶障害よりも、嗅覚障害や本来存在しないものが見える幻視を認めることが特徴的です。手足の振えや歩行障害など、パーキンソン病に似た症状が現れることがあります。比較的症状の進行が早く、介護が必要になる可能性が高いため、社会的支援の積極的な導入が望まれます。

上記以外のタイプもあります。不安を抱かれることがございましたら、お気軽にご相談ください。