頭痛外来について

頭痛外来の診療の流れ

まず問診表にご記載いただいた内容をもとに、詳細な問診から始めさせていただきます。
発症時期、痛みの部位や性状、頻度、誘因、前兆、一緒に出現する症状など詳しくお聞きします。
次に身体診察を行い、必要に応じ検査を追加します。主な検査は血液検査、頭部CT検査、頭部MRI検査などです。CT検査やMRI検査は院内に検査機器を備えておりませんが、近隣の検査施設と連携し、適宜ご紹介させていただきます。
治療は原因により異なりますが、薬物療法や生活指導が中心となります。
重篤な場合や緊急を要する場合には、適切な医療機関へ適宜ご紹介させていただきます。

頭痛の主な種類

頭痛は、原因となる他の病気がなく頭痛そのものが病気である『一次性頭痛』と、感染症や脳血管障害など他の病気に伴う症状として出現する『二次性頭痛』に大きく分類されます。主な種類を挙げさせていただきますので、当てはまる症状がある場合や治療でお困りの場合など、お気軽にご相談ください。

一次性頭痛

片頭痛

必ずしも頭の片側だけに出現するものではありません。主に脈打つような痛みで、吐き気を伴うことがあります。歩行などの日常生活動作で増強することが特徴的で、寝込んでしまうほど程度の強い痛みになることもあります。明るい光、大きい音、タバコや香水などのにおいに敏感になります。頭痛が出現する前に、ギザギザとした光が見える”前兆”や、眠気やあくびなどの”予兆”を伴うこともあります。
治療は主に、出現した痛みをなるべく早く軽減させるための鎮痛治療と、出現頻度を減らすための予防治療があります。近年、片頭痛に対する鎮痛薬や予防薬が次々と開発され日本国内でも数多く使用できるようになっております。

緊張型頭痛

頭痛の中でも特に多いタイプで、主に両側のこめかみや後頭部に締め付けられるような痛みが出現します。歩行などの日常生活動作で増強することはあまりなく、片頭痛ほど程度の強い痛みは出にくいとされています。睡眠不足やストレスに加え、眼の疲れや首・肩の凝りなどが誘因となります。
治療は十分な休養やストレッチなどの非薬物療法が中心ですが、筋肉の緊張をほぐす薬や鎮痛薬を使って症状の軽減を図る薬物療法もあります。

群発頭痛

夜間の睡眠中に起こりやすく、片側の眼の奥をえぐられるような、じっと安静にしていることができないほど激しい痛みで発症することが特徴的です。発汗、眼の充血、涙、鼻水などの症状が頭痛と同じ側に出現します。
治療は鎮痛治療と予防治療を上手く組み合わせて行うことが重要です。市販の痛み止めなどは無効なことが多いため、上記のような痛みでお悩みの際は、当院を含め頭痛診療を行っている医療機関へ積極的にご受診ください。

その他の一次性頭痛

一次性頭痛には上記の他に、一次性運動時頭痛、一次性咳嗽性頭痛、性行為に伴う一次性頭痛、睡眠時頭痛など多くの種類があります。頭痛の性状が異なるだけでなく治療法や対策もそれぞれ異なるため、医療機関に受診することをためらわず、お気軽にご相談ください。

二次性頭痛

脳やその周辺への感染症、クモ膜下出血などの脳血管障害、脳腫瘍など他の病気の症状として出現する頭痛です。また、鎮痛薬の過剰内服に伴う頭痛なども含まれます。二次性頭痛の場合、頭痛に対する治療だけでなく、原因となる病気に対する治療や対策が必要です。命にかかわる重篤な病気が潜んでいる可能性もあるため、『もともと頭痛持ちではなかったのに急に頭痛が出てきた』、『以前からたびたび出現していた頭痛とは違った頭痛を感じる』といった際は、なるべく早期に医療機関へ受診してください。