院長ブログ第9回:第67回日本神経学会学術大会|中野島ほしの内科クリニック|川崎市多摩区の内科・脳神経内科

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院長ブログ第9回:第67回日本神経学会学術大会

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2026年5月28日

院長ブログ第9回:第67回日本神経学会学術大会

こんにちは、中野島ほしの内科クリニック院長の星野です。

院長ブログ第9回では、2026年5月21日(木)に出席した第67回日本神経学会学術大会で見聞きした内容について取り上げます。

日本神経学会学術大会は、日本神経学会が主催する1年に1回の大規模な学会で、今年は2026年5月20日(水)から5月23日(土)までの4日間、パシフィコ横浜で開催されました。全国の脳神経内科医が集まり、最新の研究結果や治療法などの報告、現時点での脳神経内科医療の問題点や今後の課題についての議論を行います。

私はクリニックの休診日である5月21日(木)に出席しました。ポスター発表を拝見し、一部の講演を拝聴しましたので、いくつかの内容をご紹介させていただきます。一部専門的な内容で分かりにくい医学用語も出てくるかと思いますが、ぜひご一読ください。

がん患者における脳梗塞再発予防療法の実態と予後についての検討

がんの患者さんは、血液が固まりやすくなることがあり、その影響で血のかたまり(血栓)ができやすく、脳梗塞を起こす危険性が高くなります。脳梗塞を予防するために、血液を固まりにくくする「血液サラサラの薬(抗凝固薬)」が使われることがありますが、現在のところ標準的な治療方法はまだ十分に定まっていません。

そこで発表者は、がん治療中に脳梗塞を発症した102人の患者さんについて調査を行い、どのような要因がその後の経過に影響するのかを調べました。

その結果、次の3つが、脳梗塞を起こしてから90日後の回復状態に大きく関係していることがわかりました。
・脳梗塞を起こした時の症状の重さ
・血液の固まりやすさの程度
・がんの進行状況や体力など全身の状態

また、がん患者さんの脳梗塞再発予防では、薬による予防効果だけでなく、出血などの副作用の危険性も考えながら、一人ひとりに合わせた治療を行うことが大切だと述べられていました。

潜因性脳梗塞後のがん新規発症のリスク因子についての検討

潜因性脳梗塞(Cryptogenic Stroke: CS)とは、さまざまな検査を行っても原因がはっきりしない脳梗塞のことです。近年では、その一部に「がん」が関係している可能性があると考えられています。また、脳卒中を経験した患者さんでは、その後にがんを発症するリスクが高くなることも報告されています。しかし、どのような患者さんが脳卒中後に新たにがんを発症しやすいのかは、これまで十分にわかっていませんでした。

そこで発表者は、潜因性脳梗塞を発症した329人の患者さんを対象に、発症後4年間で新たにがんを発症したかどうか、またその危険因子について調査しました。

その結果、329人中24人(7.3%)が、潜因性脳梗塞の発症後4年以内に新たにがんを発症していました。
さらに、次のような項目が、がんを発症しやすくなる要因として関連していました。
・脳梗塞発症時の症状が重いこと
・脳の深い部分の白質に変化(大脳深部皮質下白質病変)がみられること
・血液が固まりやすい状態になっていること

これらの結果から、脳梗塞発症時に脳の白質病変が目立つ場合や、血液が固まりやすい状態がみられる場合には、隠れたがんがないかを調べる検査(がんスクリーニング)を行うことが重要であると述べられていました。

片頭痛患者における抑うつ・不安尺度についての検討

片頭痛の患者さんでは、気分の落ち込み(抑うつ)や不安などの心理的な症状を伴いやすいことが知られています。しかし、こうした心理的な状態が片頭痛の重症度や経過とどのように関係しているのかは、まだ十分にはわかっていません。

そこで発表者は、片頭痛の患者さん40人を対象に、抑うつや不安の程度と、片頭痛の重症度や発症してからの期間との関係を調べました。

その結果、片頭痛の患者さんは、健康な人と比べて、抑うつや不安を自覚する程度が高いことがわかりました。一方で、頭痛が起こる日数と心理的な症状との間には、はっきりとした関連は認められませんでした。

これらの結果から、片頭痛の治療では、頭痛そのものへの対応だけでなく、不安や気分の落ち込みなど、患者さんの心の状態にも目を向けた治療が大切であると述べられていました。

いかがでしたでしょうか。
個人的には片頭痛患者さんに対する心理的アプローチの重要性を再認識させられました。
今後も参加した学会で見聞きした情報をご紹介させていただきますので、気になるトピックがありましたら診察時などにお気軽にご質問ください。

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